-愛する者の居る場所へ- ( 2008.06.05 ) 一人の兵士に恋焦がれ、一途な気持ちに従って国を出た16歳の少女。 オレンジ色の綺麗な長い髪、 愛らしい顔立ちは、まだ汚れを知らない純粋無垢な子供のようだった。 上品な色合いで仕立てられたドレスを身に纏う姿は、 誰からの眼にも王族の血を受け継ぐ者の一人に見えた。 少女はとある国の宮殿内にいた。 何かを探す姿は、まるで泣き出しそうな迷子そのものだった。 王殿へと続く長い道をゆっくりと一人向かう兵士。 その姿を見つけると少女は目を輝かせ、はやる気持ちと共に駆け出した。 乾いた足音が宮殿内に響き渡る。 その音に振り向いた兵士が、いるはずの無い人物の姿に驚きの声を上げた。 『ひっ、姫様!どうしてこちらへ!?』 『やっと、やっと会えましたね。 私、無謀にも貴方を追って来てしまいました』 胸の内を恥ずかしげに俯きながら話す姫君。 そんな彼女の様子とは裏腹に、兵士は凛とした口調で述べた。 『陛下にこの事が知れたら、ご心配なされますよ。 今からでも遅くはありません、さぁ早くお帰り下さい』 姫君が思っていたほど、兵士の口から甘い言葉は返って来なかった。 何とも冷たい態度と現実を突き付けられた彼女は、 不満気に少し強い口調で言い返した。 『そんな事は貴方に言われなくても分かっています! でも…』 『・・・・・』 『私の気持ちに嘘は付けません。 貴方も分かっているはず。 この想いが届いているはずです。 好きなのです…貴方が…』 ============================================================================================== 【コメント】 日記に人物の下描きから仕上げまで載せていたイラストの完成図です。 タイトルは『愛する者の居る場所へ』です。 純粋なお姫様が好きな人を追って訪れたお城、というイメージで描いてみました。 『貴方について行きます、何処へでも…』というような そんな可愛らしい絵が描きたかったんです。 『ただ純粋な気持ちのままに駆け出す…』みたいなですね(//▽//)ゞ … 何か文章を書いている自分の方がチョット恥ずかしくなっちゃいました(*´ロ`;*) まぁ、それはさて置き、背景は相変わらずの加工の術! 何の効果を使ったのかは忘れてしまいましたが、 (確かフォトショップの『ラップ』効果は使ったんですけど) 良い雰囲気で仕上がったと思います。 絵:Photoshop 5.0 |